プロフィール

塩入志津子

Author:塩入志津子
編集者・駅弁研究家
JTBガイドブック、旅、情報版など各種延べ800冊の制作編集に携わる。
1987年から2011年まで24年6ヵ月にわたり『JTB時刻表』巻頭グラビアページ「駅弁細見」を連載。北海道から沖縄まで、190社の調製元現場を取材、撮影、執筆。
賞味した駅弁は約1700食。
著書に『旬の駅弁名鑑800』(講談社)がある。

東京ガス主催「全国高校生駅弁チャンピオン大会」(テレビ東京系列)では、3年連続審査員を務める。ほか週刊誌などの雑誌執筆、セミナー講師、講演、TVなど。

ブログの文章トップで掲載の写真は、塩入が撮影。

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ある判決-被告が94歳であっても-

ドン底
学生時代通った「どん底」は今も健在
(東京・新宿三丁目)


インターネットで調べものをしていて、ふと、目についた
記事があった。
 
2016617日、ドイツの裁判所で、ある有罪判決が下
された。
ラインホルト・ハニング(Reinhold Hanning)被告(94)
は、当時ドイツが占領していたポーランドのアウシュビッ
ツ強制収容所で看守として果たしていた役割を罪に問われて、
禁錮5年を言い渡された。
 
この公判は、「ホロコースト(Holocaust)ユダヤ人大量虐殺」
をめぐる最後の裁判の一つになるとみられている。
 
アンケ・グルッダ(Anke Grudda)判事は、
「たとえ70年が過ぎ、被告の年齢が94歳であっても、この
裁判は、曲がりなりにも社会が行える精いっぱいの正義だ」
と、述べた。(AFP時事)
 
検察側は、ハニング被告が「収容所でユダヤ人らを根絶する
という目的に寄与した」ことを理由に、禁錮6年を求刑してい
たが、弁護側は、被告本人が誰かを「殺害、殴打、虐待」した
わけではないとして無罪を求めていた。
 
今年(2016)4月、ハニング被告は、沈黙を破り、アウシュビ
ッツにいたころの話を法廷で初めて証言。犠牲者らに「申し訳
ない」と述べ、収容されていた人々が射殺されたりガス室に送
られたりしたことや、遺体が収容所内で焼却されていたことを
知っていたと認めた。
 
残虐行為について「一生話さない」ことにしていたのは、自
らの行為を深く恥じていたためであり、妻子や孫たちにも打ち
明けたことはなかったと述べた。
私は、そのことを口にすることすらできなかったのです。恥じ
ていました」と、白髪頭で眼鏡をかけたハニング被告は述べた。
ハニング被告は戦後、酪農業を営んでいた。妻には先立たれて
いる。(翻訳編集・AFPBB
 
この記事を読み,感じたことは、同じ敗戦国ドイツ人の、正義
に対する態度であり、省みて日本の70年はどうだったか、という
ことです。
 
94歳になる被告のホロコーストに対する公判で、ドイツでは自
国の恥は恥として、はっきりさせようとしている。70年を経て、
老齢の戦犯に判決を下し、これが最後の裁判になるであろうと。
長い長い70年間、執拗に、戦犯を追い続けた。
人の一生に近い70年かけても、国の恥部は恥部として、はっき
りさせるという国家としての姿勢をもっていた。
 
「たとえ70年が過ぎても、94歳であっても、この裁判は曲がりな
りにも社会が行える精いっぱいの正義だ」というドイツの判事の、
正義を貫く判断です。
 
ナチスとユダヤ虐殺の問題は、ナチスだけが悪であったというより、
歴史的にドイツ国民や、その周辺国でも同調の志向があったといわれ
ている。
日本と異なるのは、ドイツでは、戦後の反省を少なくとも、日本よ
り質的に高度な意味で行っている。日本とドイツの為政者の質の問題
なのだろうか。私も含めて、日本の国民にも問題があるのではないだ
ろうか。
 
日本は、太平洋戦争の反省を十分に行っていない。近代史の欠如を
言うものはいても、国としての態度がはっきりしていない。
なんのための戦争だったのか。反省の事実を若い世代にはっきり
伝えていない。間違いは、間違いとして、はっきりさせようとしてい
ない。
私は、昭和20310日に東京浅草の空襲で父を亡くし、戦争で
兄を亡くした。国がはっきりさせないので、今、自分で太平洋戦争に
ついて調べている。父や兄が、なぜ死ななければならなかったのか。
 
このあいまいさは、最近問題になっている舛添元都知事の態度を許してしまうことにも、通じている。
それを許すことが、若い世代に今後、どのような影響を与えるか。為政者は自己保存の政治ではなく、日本のための日本の正義について、真摯に考えなければ、と、おこがましくも思うのです。
                         (2016/06/26
 
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