プロフィール

塩入志津子

Author:塩入志津子
編集者・駅弁研究家
JTBガイドブック、旅、情報版など各種延べ800冊の制作編集に携わる。
1987年から2011年まで24年6ヵ月にわたり『JTB時刻表』巻頭グラビアページ「駅弁細見」を連載。北海道から沖縄まで、190社の調製元現場を取材、撮影、執筆。
賞味した駅弁は約1700食。
著書に『旬の駅弁名鑑800』(講談社)がある。

東京ガス主催「全国高校生駅弁チャンピオン大会」(テレビ東京系列)では、3年連続審査員を務める。ほか週刊誌などの雑誌執筆、セミナー講師、講演、TVなど。

ブログの文章トップで掲載の写真は、塩入が撮影。

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ガラスのおしゃぶり

エッセー1509 
浜離宮公園散策20159

 テレビが日本に初登場したのは,1953(昭和28)年2月1日。
NHK東京地区、契約台数866、1日4時間の放送であった。
 
私は、その年の3月、学校を卒業したばかりで、もちろん、
貧乏なサラリ-ウーマン。866中の視聴者ではなかった。
 
時の内閣総理大臣は、自由党の吉田茂さん。
吉田さんちは、たぶん、866の1台に入っていたでしょう。
 
そして、はや、62年。その功罪はともかく、今や、無くて
はならぬ、あって当たり前、一家に3台もある存在になって
いる。
 
ただ、最近、テレビが若者に人気がなくなりつつあるという。
いつの時代も、若者は、敏感だ。
 
片や、人間も60を過ぎると、思わずわが身をふり返ること
も多くなるのではないか。
 
人間に比べ、テレビ局は、わが身をあまり振り向かず、或る
局で起用した人が、視聴率で成功すると、各局が同じ人間の
後追いに一生懸命だ。かつて、タモリを見出したプロデュー
サーのように、もっと独自性を出せないものか。
 
金太郎飴のように、各局が料理番組で時間を稼いでいる。人
間、食べるという本能欲をくすぐれば、満足する、とでも考
えているのだろうか。
そういえば、新聞に40代の主婦が「テレビは、料理、料理
と,もう、料理番組は結構です」と投稿していたのを思い出す。
 
料理は定型のものに、少しアイデアを加えれば、いくらでも
変種できるから、きりがない。それに、日本全国隅々をひっ
くり返せば、いくらでも出てくる。今のテレビはそれを際限
なく繰り替えしている。
 
口から食べる栄養はもう結構だから、少しは脳に口当たりの
良い栄養をとる方向へ、家事(舵)をむけてはくれないかと思
う。
 
『スタンド・バイ・ミー』などの作品で知られる、アメリカ
の作家スティーヴン・キング(1947~)が書いている。
 
「作家志望者にテレビはいらない。物知りぶったニュース解
説や、忙しい株式市況や、気違い染みた絶叫が途切れる間も
ないスポーツ中継を聴きたいなら、自分は本当に作家を目指
しているかどうか。胸に手を置いて考えたほうがいい。今は、
思索と想像の人生に向けて沈潜すべき時である」
 
「本を読むには時間がいる。ガラスのおしゃぶりは時間を取
りすぎる。束の間のテレビ飢餓から抜け出すと、読書の歓び
を実感するようになる。際限もなくしゃべりまくる四角い箱
の電源を切れば人生は充実し、同時に、文章の質も高まるこ
とは請け合いである」
(スティーヴン・キング『小説作法』池央耿訳 アーティストハウス刊2001年)
 
作家の小説家志望へのアドバイスなので、厳しいが、テレビ
を「ガラスのおしゃぶり」と言っているのが、なんとも面白
く、さすがと、思わず笑ってしまった。
 
そのあとで、少し文章を書く者として、自分を振り返る。
この言葉は普遍だ。作家にならなくても、笑ってる場合じゃ
ないぞ!と。 
                      2015/09/29
 
 
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