プロフィール

塩入志津子

Author:塩入志津子
編集者・駅弁研究家
JTBガイドブック、旅、情報版など各種延べ800冊の制作編集に携わる。
1987年から2011年まで24年6ヵ月にわたり『JTB時刻表』巻頭グラビアページ「駅弁細見」を連載。北海道から沖縄まで、190社の調製元現場を取材、撮影、執筆。
賞味した駅弁は約1700食。
著書に『旬の駅弁名鑑800』(講談社)がある。

東京ガス主催「全国高校生駅弁チャンピオン大会」(テレビ東京系列)では、3年連続審査員を務める。ほか週刊誌などの雑誌執筆、セミナー講師、講演、TVなど。

ブログの文章トップで掲載の写真は、塩入が撮影。

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銀座木村屋のアンパン

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花片  (新宿御苑)


「多分やるだろうな、やらなかったら今夜は、ワインで乾杯」

と思ったある夕暮れのこと。

 

本年10月12日夕方、ふとつけたテレビ。さんまが若い女

性8人を相手におしゃべり。「さんまのまんま」という番組。

 

お嬢さんたちは「乃木坂46」のメンバー。平均年齢17歳。

18歳の女性もいる。グループは、2011年8月に結成さ

れた日本の女性アイドルグループ。「AKB48」より人数は

少ないが負けない、という意味をこめた命名という。

 

全員がそろいの、昔からある水兵服スタイルの制服を着用。

ひざ下までの黒いストッキングをはいている。

みんな美人で明るい。

 

さんまの番組に出られたら、一人前だと母親にいわれて、

とてもうれしい、などとキャッキャおしゃべりの花が咲く。

サンマの自然体の話術が、8人の女性をたのしませる。

 

そのうち、彼女たちからのおみやげがでてきた。

銀座木村屋のアンパン。おへそに櫻をあしらったものもあっ

て、さんまをはじめ全員がアンパンや菓子パンを食べ始める。

 

めいめいの前には、お好みの飲み物が出ている。

日本茶、ジュース類などが、びんやペットボトルではなく

キチンと茶碗やグラスで提供されている。

 

そのうち、ひとりの左腕がニューと出て、左手で日本茶の茶

椀を、五本の指を開いたままガバッとつかみ、頭を後ろに傾

けてお茶を飲んだ。右手はこれもアンパンを高く掲げながら。

 

やってしまった!やっぱり

 

でもまだわからない。ひとりぐらいは、パンをテーブルに置

いてから右手で、飲み物を取り上げる人もいるかもしれない。

しかし、望み はかなく、だった。

 

2~3分のあいだには、全員が右手にアンパン、左手に飲み

物のスタイルがきれいに揃っていた。

 

始めに多分そうなるだろうな、と思ったのは、ファミリーレ

ストランなどで、そんな姿をよく見かけていたからで、それ

でもこれほど一致団結しているとは思わなかった。

 

人は、生涯にどのような場面に身をおくことになるかわか

らない。どのように素敵な人と出会うかも未知である。

 

「乃木坂46」の女性たちも、将来、国内外のさまざまな場

へ出るようになるだろう。それが心配だ。

 

和食が日常化しなくなったからだろうか。

和食なら、ご飯と汁椀を同時に持っていることになる

 

いや、洋食でも、肉を刺したフォークを左手に持ち上げなが

ら、飲みもののグラスを右手にすることはない。

 

お嬢さんたちの母親は多分、わが子のテレビ出演を目をこら

して見ていただろう。気がついたお母さんはいるのだろうか。

 

本当に美味しい漬物同様、美しい所作は、一夜漬けは無理で、

子どものときから体に沁みこませないと、振る舞えない。

 

イギリスには、全寮制の小学校があり、スープはどこまでス

プーンを持ち上げ、どの角度で口へ運ぶか、きびしく訓練す

ると書物で読んだことがある。

 

もし高名な“さんま”があの場で苦笑しながらアドバイスし

たら、出演者は決して忘れないだろう。また、見ている若者

や、お母さんに対しても効果的だったかもしれない。

 

美しくものをいただくことは、心をこめて作られた食べもの

への礼儀でもあり、日本の大人には、導くという責任がある。

(2013/10/28)

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