プロフィール

塩入志津子

Author:塩入志津子
編集者・駅弁研究家
JTBガイドブック、旅、情報版など各種延べ800冊の制作編集に携わる。
1987年から2011年まで24年6ヵ月にわたり『JTB時刻表』巻頭グラビアページ「駅弁細見」を連載。北海道から沖縄まで、190社の調製元現場を取材、撮影、執筆。
賞味した駅弁は約1700食。
著書に『旬の駅弁名鑑800』(講談社)がある。

東京ガス主催「全国高校生駅弁チャンピオン大会」(テレビ東京系列)では、3年連続審査員を務める。ほか週刊誌などの雑誌執筆、セミナー講師、講演、TVなど。

ブログの文章トップで掲載の写真は、塩入が撮影。

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攻めの養生

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帯津三敬病院名誉院長の帯津良一先生が、JRの広報誌『大人の休日倶楽部ジパング5月号』に興味ある一文を寄せられている。

「養生とは、年齢を重ねたら身体をいたわり、病を未然に防いで天寿を全うする・・。多くの人は、そうイメージするでしょう。しかし、そんな“守りの養生”は、もう古い」

その理由として、
帯津先生の病院では、主にがんの患者さんを対象に、心と体と命を一体ととして人間を全体で診る「ホリスティック医学」の概念により「生・老・病・死」をワンセットとして考えているからだと言われる。

「生を謳歌しながら、老いを自覚し、病と付き合い、人生最高の精神状態で死を迎える・・・。
これからは、それぞれのステージをしっかり生き抜く“攻めの養生”の時代なのです」
と、素晴らしい提言をされている。

「確かに年を取れば体は衰えるが、視野の広さ、観察眼の鋭さなどは、年を経るごとに身に付いていくもの。飛行機が離陸時に加速するように、自分自身を最高の状態にして最期を迎える。そう考えれば老境に向かうほど生命力が高まることになります。

特に50歳を過ぎれば人生を充実させる時期に入り、あるがままの肉体と人格がものをいいます。
統合医療の世界的第一人者であるアンドルー・ワイル博士は、全米ベストセラーとなった著書で、
『深く、優雅に年齢を重ねる“ヘルシーエイジング”こそが大切なのだ』と提唱しています。私も全く同感です。
若く見せようとするのではなく、年を取るのも悪くない。自然体こそ色っぽいと気付くことができれば、鏡を見るのも楽しくなる。それが結果的にアンチエイジングにつながれば言うことはないでしょう。」と、書かれている。

今や、攻めの養生を実践しながら、自分のステージで謳歌している方が増えている。
80歳でヒマラヤ登頂を果たした三浦雄一郎さん、やはり80歳でシェイクスピアの「リア王」に挑戦の渡辺美佐子さん、今年、パリで初公演の蜷川幸雄率いる「さいたまゴールドシアター」(平均年齢74歳)のみなさん。
この方たちは、突然このような実が結んだのではなく、長い自分との地道な努力と闘いがあったはずです。

アンチエイジングは、60歳になって、かつての20代の若々しい肌や体型を望むことではなく、年だから、という後ろ向きの思考を跳ね除けて、積極的にその年齢を認め、泰然と受け入れられる精神力を養う、日々の努力をすることだと思う。

帯津先生の「自然体こそ色っぽいと気付くこと」は、本当は、たいへんです。

人が自分としっかり向き合うことを意味し、レンブラントのように、百点もの自画像が描けること。描こうとすること。でも、それができると、日本にも、「おとなの自画像をもつ文化」が、ごく普通になるかもしれません。

そのためには、心を含めあらゆる部分の手入れを怠らないこと。そのための健康であり、美容であって、それが目的になると、矢印の方向がちがうのではないか。

きれいになるのは簡単ですが、美しくなるのは、生まれてからの与えられた時間の過ごし方が影響するので、買いたいものが自動販売機から出てくるようにはいきません。

年を経ないと、見えないものがたくさんあるので、年を重ねる楽しさは、若いときには想像もできない世界が広がっていると思うと、あらためて、生が貴重だと感じる。

若く見せようとするのではなく、攻めの養生で、その年齢を誇りに思えるような自身の生き方を持つことこそ、アンチエイジングだと考えています。
                              (2013・5・31)
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