FC2ブログ
プロフィール

塩入志津子

Author:塩入志津子
編集者・駅弁研究家
JTBガイドブック、旅、情報版など各種延べ800冊の制作編集に携わる。
1987年から2011年まで24年6ヵ月にわたり『JTB時刻表』巻頭グラビアページ「駅弁細見」を連載。北海道から沖縄まで、190社の調製元現場を取材、撮影、執筆。
賞味した駅弁は約1700食。
著書に『旬の駅弁名鑑800』(講談社)がある。

東京ガス主催「全国高校生駅弁チャンピオン大会」(テレビ東京系列)では、3年連続審査員を務める。ほか週刊誌などの雑誌執筆、セミナー講師、講演、TVなど。

ブログの文章トップで掲載の写真は、塩入が撮影。

全記事表示リンク

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ハンカチーフ

ハンカチーフ



ハンカチーフを持つ人が少なくなった。

ティッシュぺーパーの出現のせいだろうか。
しかし、ティッシュとハンカチーフでは格がちがう。

外出の際のハンカチーフは欠かせない。
高価なスーツを身につけた男性が、お絞りで顔を拭いたり、ましてや、口辺をぬぐうのはやめたい。百年の恋も一瞬にして冷める。

それだけにアイロンのかかった折り目正しいハンカチを持っている人は、すがすがしく、魅力がある。服装はその人の言葉。人間、外側も大事である。

ところで、ハンカチーフはいつごろから使われたのか、と思って調べたら、紀元前3000年にはエジプトの王女が使っていたという麻の端切れが、ベルギーのブリュッセル博物館に保存されているという。

その後、いろいろな形をしていたハンカチーフの中から、今の正方形にまとめたのは、18世紀末、時のファッションリーダー、フランス王妃アントワネット。

彼女の誕生日にちなみ、11月3日はハンカチーフの日。気の遠くなるような歴史である。そして、今や、日本は世界でも有数のハンカチーフ市場なのだそうである。

その歴史に敬意を表して、きちんとした場所では、麻や上質な綿の白いものを持ちたいと思っている。とりわけ和服の場合は、真っ白い麻か綿が、衣装の雰囲気をそこなわず、美しい。

会社勤めのころ、日曜日に1週間分をまとめて洗濯し、アイロンがけをした。子ども時代は、アイロンはあったが、洗濯機のない時代で、手洗いしてガラス窓に貼り付けると、ピーンとなるので、ピュッとはがして使っていた。

日ごろ、気になっていることがある。
テレビの出演者で、感極まって涙を流し、女性はマスカラを気にして、指先で目尻を拭ったり、鼻水の始末に困ったりしているのをよく見かける。

男性の服はポケットが多いので、ハンカチーフの1枚くらい持てるはずである。和服なら袖がある。女性の服は上等になるほど、ポケットが無いので困るが、
ごく小さなポーチのようなものに入れて、食事の時のように、それとなく椅子の背にでも置いてはいかがだろうか。

問題は立ち姿のときである。まあ、その時は、我慢して泣かない努力、鼻水を出さない意志をもって出演するようにしては。

不思議なことに、さっと、ハンカチーフの出てくる人はまれである。ほとんど持っていない。出演内容によって、必要になりそうか否かは、想定できるのではないか。それなりの人びとが、そのくらいの用意をなぜしないのか、と思う。

その時、とっさに、真っ白な(じゃなくてもいい)、折り目正しいハンカチーフがでてきたら、その持ち主は、いっそう素敵に見えて好感度も上がるでしょう。

エレガントな女優さんが、対談中、汕頭(スワトウ)の素敵なハンカチーフでさりげなく涙をぬぐう、なんて、絵になりますね。

子どもも見ていて、いつか、それを真似るだろう、と、思う。

ハンカチーフでは、ちょっとした思い出がある。

ある年の4月、お世話になった、ある二人の女性にハンカチーフを贈りたい、と思った。

和服をお召しの機会の多い方たちで、それぞれのイニシヤル入りの白いハンカチーフが欲しかった。よく行くデパートをみたが、気に入ったものがない。銀座のデパートでやっと見つけた。

礼状を添えて、そのハンカチーフを贈った二人の女性からは、その後、着いたとも、着かないとも、なんの連絡もなかった。

翌年の1月、一人の女性からの年賀状に、礼の文言が簡単に書き添えてあった。7カ月後のことだった。
そのお二人の女性というのは、2年間、通学した「礼法」の学校の先生とその助手で、年賀状が来たのは、助手の先生のほうであった。

私もやりがちな、と思いながら感じた、人の、ふとした隙間でした。 (2013・5・1)
スポンサーサイト

COMMENT

EDIT COMMENT

非公開コメント

ブログ村ランキング
応援のクリックをお願いします
著書の紹介
検索フォーム
アクセスカウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。