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プロフィール

塩入志津子

Author:塩入志津子
編集者・駅弁研究家
JTBガイドブック、旅、情報版など各種延べ800冊の制作編集に携わる。
1987年から2011年まで24年6ヵ月にわたり『JTB時刻表』巻頭グラビアページ「駅弁細見」を連載。北海道から沖縄まで、190社の調製元現場を取材、撮影、執筆。
賞味した駅弁は約1700食。
著書に『旬の駅弁名鑑800』(講談社)がある。

東京ガス主催「全国高校生駅弁チャンピオン大会」(テレビ東京系列)では、3年連続審査員を務める。ほか週刊誌などの雑誌執筆、セミナー講師、講演、TVなど。

ブログの文章トップで掲載の写真は、塩入が撮影。

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いただく

2013年賀



近年、気になる言葉の一つに、「いただく」  がある。

テレビの料理番組などで、お塩を入れていただいて、 温めていただいて、取り出していただいて、かき回していただいてから-----------、まだまだ山ほど。

料理に限らずいたるところで連発されている。

岩波書店 『広辞苑』 第五版 によると、

いただく、頂く・戴く 
1 頭にのせる 頭上高くに位置させる
2 高くささげる
3 崇めて大切に扱う、名君をいただく
4 謙譲の意、もらうの謙譲語、賜る、頂戴する
5 食う、飲むの謙譲語。おいしくいただきました、など。
  頂く物は夏も小袖 ------貰う物ならば綿入れの小袖を夏にでも貰う。欲の深いことのたとえ。 とある。

多分、伝える側が聞く側を尊重しているという意志表示だと解釈するが、それは、蛇の足ではないか。

塩を入れます、温めます、取り出します、かき回します。で十分ではないか。塩もしゃもじも、そのほうが好きだと思う。すっきりする。

言葉は、使う人のこころをあらわす。今の世相を映して、「 頂く物は夏も小袖 」のように思える。

世の中、煩雑で、いつも忙しい。

簡単な表現で済むことは、素のままのほうがすがすがしい。

衣装はごてごて飾ると品がなくなる。
言葉も、塩をいれていただいて、ゆがいていただいて、巻いていただいて、などというのは、わずらわしい。簡潔に、入れて、ゆがいて、で結構。てきぱきとしていたほうが、美味しいものができるような気がする。

医学の教授が手術の講義をするのに、メスをもっていただいて、そこを縫合していただいて-----などと説明するだろうか。その間に病人は死んでしまう。

かつては、なんでもかんでも、いただく、いただく、とはつけなかった。

テレビの出現によって、料理研究家が具体的に料理法を教えるようになった。いつの間にか、「いただく」 という言葉がふつうになった。

いくらふつうになっても、私は、つかわないほうがよい、と思う。

長い間に、無意識に醸成された、今流行の、ポピュリズム(大衆迎合主義)の一種かもしれない。
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